こころの散歩道 (蔡焜燦先生有り難うございました)2017-07-30 Sun 21:21
![]() 第三歌集「花吹雪」が出来てきて 真っ先に 台湾歌壇の 蔡焜燦先生と 三宅教子さんに お贈りするため 国際スピード郵便の袋を買ひに 郵便局へ 帰宅したら 三宅教子さんからの メールが届いてゐました。 7月17日のことです。 蔡焜燦先生 逝去のお知らせでした。 ![]() 泣いて 泣いて ひとりで 泣いて… 教子さんに メールを打ちました。 ( 蔡先生のことお知らせいただき 有り難うございました。 台湾歌壇五十周年のお祝ひの時、蔡先生は私に 「眞由美先生、僕はもうすぐ死にますから」と最初に言はれて 「歌集がもうすぐ出来ますから、先生のことをお詠みした歌も 沢山ありますから、たのしみにお待ち下さい」 と申し上げましたら、とても嬉しさうなお顔をされました。 翌日の招宴では奥様のお隣に座らせていただき、 「私はもう駄目です」と仰る奥様をおなぐさめしながら 楽しいお話をしてゐた私たちを、先生は時々優しい目で 見てをられました。 あのお姿が忘れられません。 歌集を 明日郵便局からお送りいたします。 先生への感謝の言葉を書きました贈呈の小さな箋を表紙の 裏にお入れしてありますので、御霊前にお供へ戴けましたら 有難く存じます。 ) 教子さんからの返信には ( 7月22日に、美しい装丁の歌集「花吹雪」が届きました。 ちょうど23日は、蔡先生の仮設霊堂に御焼香できる日でしたので 蔡先生への歌集を胸に抱いて参り、息子さんに 「福永眞由美さんが 蔡先生とお約束してゐた歌集ができあがりました。 蔡先生のご霊前にお捧げ下さい」と、お願ひいたしました。 ) と書いて頂きました。 蔡先生 今も 涙がとまりません。 長い間 本当に有り難うございました。 ![]() 歌集「花吹雪」より 雲海のかがやく見れば先生の大き面影笑みて顕ちます 遠き日の父の祈りを抱きゆく泣きたきこころひそかにありて 今どこに居るかと先生の携帯のみ声とともに旅ゆくわれら 日本にいのち捧げて生きませと夜半の電話の先生の声 先生に贈るわが歌朗々と吾子吟じたり祈るごとくに 凛々と大和のこころみなぎらせ台湾に歌の道ゆくきみは 励ましの電話いくたびたまひたり大震災と輪禍の日々を 乗り越えよ強く生きよと先生は残されし吾子ら励ましたまひぬ ![]() 先生が教へたまひし含羞草(はづかしそう)フオルモサの野に 強く根を張る 大和にも咲きゐる花と台湾のおみな明るく教へたまへり 珊瑚潭見放くる丘に眠ります台湾にいのち捧げし人は 台湾歌壇四十三人の大和歌捧げられたり大和の神へ 先生が大和の神への捧げ歌声しづやかに読みたまひたり ![]() 第百十一回歌道講座秀歌 (天) 師のみ跡偲び友らと辿る道かなた雄々しき夏富士は見ゆ 高橋奈緒子 (地) 社辺に薫り立ちたるくちなしの夜目に浮かべり花の白さは 山本 和秀 (人) あたたかき道の友らにささへられ今日の一日のただうれしかり 中田 英美
エッセイ
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