ほしぞら

福永眞由美 公式ブログ

こころの散歩道(ふるさとの友)





渓谷の青くしづけき水の色魂合ふ友とふたり見てゐき

夕暮れてゆく奥多摩の秋にゐてしんしんとかなしきみがやさしさ

ちちははのねがひのごとく照りわたる今宵の月と思ひけるかも

蘇生するを希ふこころに生きてあればいのち沁み入る月の色かも
    
                            
                                         ( 歌集「冬椿」より) 
 




ふるさとの 多摩川の秋が撮りたくて 
デジカメを持って
ひとり 電車に飛び乗ったの


ふるさとの駅は昔のままだった


ふるさとの駅


おさげ髪の少女だった はるか遠い日のこと
学校帰りを 遠回りして
自転車をころがして よくこの道を行ったの


多摩川 夕日

仲良しだった 大好きな安子さんと
河原に降りて きれいな石を拾ったり


多摩川 かんぽ

そうよ カズ子さんと
この場所で この波を見ながら
いっしょに 詩をつくったり


多摩川 波

大人になってからは かなしみを抱えて
いくたび ここに涙をながしに来たかしら


でも そのかなしみがあったから
今の私があると 思ふの

神さまの時間は ゆっくりと ながれるのよ




羽村邸3

羽村邸1

でこポン




仲良し四人組の
一番のお姉さん役だった悦子さんは
いまでも このふるさとの多摩川のほとりの家で 
お姉さんみたいに 私たちを待ってくれてゐます

遠い 遠い 乙女の頃は
生きてゆくことがこんなにも
深いかなしみに満ちてゐるなんて
思ひもしなかった

そうして
深いかなしみのなかにあった頃は
こんなにもしづかな心で 感謝に満ちて
人生を振り返ることが出来る日がくるなんて
思ひもしなかった

ほんとうに 神さまの時間は
ゆっくりと 流れるのよ







エッセイ |

こころの散歩道(烏瓜の花)

 




ひそやかに一夜かぎりをいのち咲く神秘の花はただしづかなり


  
 台湾歌壇九月の歌会にお送りした歌に 
イスタダアリーマンさんと 林禎慧さんが
美しい歌評を下さいました。

お二人とも 神秘の花は
「月下美人」と 思はれたみたい。

この歌に詠んだ花 は
「烏瓜(からすうり)」の花なのです。

三宅教子さんは 「不二歌壇」で
私の連作を読み 知ってをられるので
「これは烏瓜の花を詠んだのです」と 言って下さったさうですが
教子さんも 烏瓜の花を
見たことが無いのですって。

写真をお送りする お約束をしたのに 
パソコンのトラブルで 
やっとこのたび お送りすることが出来ました。 

あまりの美しさに
感動して下さった教子さん。

いつかきっと 一緒に 
一夜かぎり をいのち咲く
神秘の花を 見ませう。



からす瓜3

 

からす瓜1



からす瓜2


   
   
          烏瓜の花

歌の選しゆけばいつかむらぎもの心はかよふ歌の道友(とも)らに

重ねゆく幾夜はひたに祈りつつ歌の道友らを思ひゆくなり

ぬかづける思ひに拝す歌のあり疲れし吾れの魂をきよめて

手をやすめ父母恋へばひたすらに美しきもの見たし思ひぬ

夕闇のせまりし青梅街道をデジタルカメラ携へてゆく

薄衣(うすぎぬ)の白きレースのごとき花真夜の畑道人知れず咲く

闇に咲く白き妖精とふ烏瓜の花撮りゆけばこころうれしも

ひそやかに一夜かぎりをいのち咲く神秘の花はただしづかなり

よさこいの市民祭りの歌の声太鼓の音も遠く聴こゆる

台湾の友に送らむうつしゑの大和の夜をきよく咲く花

生きゆくはかくもかなしきことならむ闇ふかけれどきよく咲く花






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